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為替変動(Flexibility)の大きい通貨・小さい通貨
下の表は、各国・経済圏の国民総生産(GDP)値をグラフ化したものです。国際社会において、欧州、米国、日本が圧倒的な
3強体制を築き上げており、少々のダメージでは影響されないだけの経済規模を持っています。
少々の資金移動ではびくともしない、こうした経済力が、その自国通貨の安定性を下支えする決定的な要因となりえます。現に、米ドル、ユーロ、日本円は比較的、変動幅が小さく、安定した為替相場を形成しています。
反面、英国や豪州、カナダ、以下に続く国々の通貨変動率は非常に高く、国際マネーの出し入れに大きな影響を受け、為替レートは非常の大きく上下します。経済規模自体が小さいため、相当額の通貨売買ですぐに市場が動かされてしまうのです。ちなみに、韓国の国家財政規模は、日本の東京都とほぼ同レベルであり、日本の経済力の強大さは歴然としています。
こうした大小異なる経済圏・国家間を、莫大なマネー( 1日
200兆円強)が常時、移動する中で、相対的に為替相場が変動しやすいところ、変動しにくいところといった差異が生まれてきます。
98年のアジア通貨危機では、タイ、韓国、マレーシア、インドネシアなどの通貨が暴落し、国内経済が破綻するところもありました。その際、日本へも大きな影響を及ぼしましたが、日本経済の体力でその荒波を乗り越えることができたことは、記憶に新しいはずです。
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各国中央政府/銀行は、その金融政策を通じて、自国の通貨供給量の調整、景気案安定策と実施しています。当然、各国ごとに経済規模・安定性・成長率等に差があり、政策金利にも大小のずれが生じてきます。
金利が高い国の通貨を持つことにより、運用資金はより多くの利子を手に入れることができます。こうした原理から、金利の低い通貨で資金を調達し(借り入れ)、金利の高いところで運用するというパターンができ上がります。所謂、キャリー・トレードと称される手法です。
日本で昨今、話題となっている外貨預金口座もこれと同じ発想にあたります。
こうした高金利通貨への資金流入は、為替相場を大きく動します。代表的な高金利通貨としては、豪ドル、ニュージーランド・ドル、カナダ・ドル、英ポンド、南アフリカ・ランド、ブラジル・レアルなどがあります。逆に低金利通貨は、日本円、ユーロ、スイス・フランなどです。
季節、各イベント等に関連して、一年間でも定期的な資金移動の定石があります。すなわち、年次会計にかかわる資金回収、貿易決済期における資金受渡し、大型買収にともなう通貨転換需要などです。
特に、国際市場の外為取引では、海外主要国の決算年度は重要。通常、1-12月を会計年度と定めるところが多く、このため、1-3月期は自国通貨→外貨、10-12
月期は外貨→自国通貨の流れになりやすくなります。日本円ベースで考えるならば、1-3月期は海外勢による円買いが入り(円高)、10-12月期は逆に円売りが入る(円安)傾向になります。
米国籍の投資信託では 10月、ヘッジファンドでは
11月が決算期。このため、12月までに投資家に配当・分配金を支払う必要があり、巨額の米ドルへの通貨需要が生じることになります。日本企業では通常、4-翌3月の会計年度となるため、4-6月期に円→外貨、
1-3月期に外貨→円への資金移動が見られます。
外国為替レートは、その国の経済成長、消費者動向、さらには社会安定度に大きな影響力をもつため、各国政府ともに大きな関心が払われています。
政府高官、要人らによる目下の為替相場への不快感発言であったり、逆に静観を守る姿勢を保持したりなど、その対応は陰に陽に為替レートに影響を与えています。通貨市場の安定を目指して発足され定期的に開催される、先進国G7(8)サミット、中央銀行総裁会議などは世界中から注文を集めるのも、こうした政府側の意向と折衝が非常に大きな力を持つためです。
また、各国政府が貿易決済の保険として保有する外貨準備資産も、その額が巨大な故に、注目を集める材料となっています。近年は、米ドルによる保有資産をユーロへ移行する動きが活発化し、ユーロ相場の上昇に弾みをつける結果となっています。
「米国双子の赤字」「景気先行きの不透明感」「原油など資源価格の高騰懸念」「中東の地政学的リスク」など、そのときどきのホットテーマに、外為市場は短期的に最も影響を受けます。
また、政治選挙の行方や、税制論議、政界スキャンダルなどのニュースも短期的な売買を刺激します。
ただ、中長期的にはやはり前述の 1〜3項目による変動要因が大きな存在感を持ちます。
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